
AI活用のキーワードは「東大に受かるくらいの能力をもつ子ども」。それはどういうことなのでしょうか。
最近では、生成AIの急速な発展を日常生活でも感じるようになりました。検索するとAIが回答をまとめてくれるサービスを目にする機会も増えましたね。当農園でも少しずつAIを活用しているので、紹介します。
はじめに
世界に衝撃を与えたChatGTPは2022年11月にOpenAI社により公開されました。それから数年経ち、各社から様々な生成AIが誕生しています。最近では新たなAIである、DeepSeekが公開され、業界では大きな話題となったようです。
それぞれのAIには得意分野があり、オールマイティなものや、画像生成、動画生成、中には音楽を生成してくれるAIもあるそうです。
さて、その生成AIの活用ですが、適切な使い方をすることで真の力を発揮します。
AIを「東大に受かるくらいの能力をもつ子ども」と考えてみると分かりやすいかも。次の項目をご覧ください。
東大に受かるくらいの能力をもつ子どもとは

生成AIに質問文を投げかける際に、どのような方法で行っていますか?
「○〇について教えて」だけだと、通り一遍の回答しか得られません。より適切に活用するにはコツがいります。
生成AIを、「東大に合格するくらいの能力をもっている子ども」と思って質問を作ってみましょう。
めちゃくちゃすごい能力をもっているにも関わらず、言動は小学生。
ドラえもんの「のび太」をイメージしてください。映画でののび太は、普段と違ってしっかりと役割が与えられ、頼もしく活躍する様子が描かれていますね。
そんな子どもに指示を出すような感覚でAIに質問を投げかけてみてはいかがでしょう。
まず、AIに「役割」を与えます。質問は、あいまいな内容では理解できません。できるだけ具体的に細かく指示します。そうすると、こちらが求める情報に近いものを得やすくなります。
例えば…
あなたは、旅行の企画を考えるプロです。
夏休みに1泊2日の家族旅行プランを考えてください。
家族構成は、40代の父、30代の母、10歳の娘、6歳の息子の4人家族。移動手段は自家用車で、出発地は東京都江戸川区。行き先は栃木県です。
旅行の内容は、ブルーベリー狩り、子供が楽しめる体験、おいしい夕食、朝食はバイキングを必ず盛り込んでください。栃木県を代表するようなお土産も買いたいので、帰りに道の駅に寄りたいです。
この旅行プランを5つ考えてください。
最初に、「○○のプロ」や「○○の専門家」といったような明確な役割をAIに設定しました。
次に、目的を伝えます。今回は「旅行プラン」ですね。
そして追加の情報を簡潔に。さらにこちらが求める「内容」を書いて、最後にいくつプランを提案してほしいかを追加してみました。

この質問で得られた回答については、ぜひご自分で試してみてください。
これからは、生成AIを上手に活用するためのスキルが今後必要になってきますね。
観光農園にとっての具体的な活用場面とは?

では、当農園は、実際にどのような場面で活用しているのでしょうか。
いろいろな方に教わって、私がやってみたことを紹介します。
文章生成・添削で
キャッチコピーの言葉やネーミング、長い文章の要約、文章の添削をAIに投げかけ、案を作成してもらっています。
もちろん、そのまま採用することはありませんが、思わぬアイデアを見つけることができます。商品の名称やキャッチコピーを考える際のヒントをもらえるので、気軽に活用しています。
キャッチコピーやネーミングを考えてもらうときは、そのコンセプトをできるだけ詳しく示し、その言葉は誰に向けてなのか、何文字程度かなど指示を出しています。
文章の要約は、まず要約後の文章力はどのレベルか(中学卒業レベル?高校卒業レベル?)、何文字程度かを示した後、原文をそのままペーストすれば、条件に合った要約文を回答してくれます。
何度か試しましたが、びっくりするくらい自然な文章でまとめてくれます。
今書いているこのブログも実はAIに書いてもらい…

ちゃんと人間が書いてますよ。
翻訳で
これからのインバウンド需要に向けて、英語によるページを作成しています。その英訳にもAIを活用しています。
日本語のベタ打ちをそのまま英訳してもらう際に、英訳のレベルもお願いできます。例えば、「中学校卒業レベル」や、「15歳でも理解できるレベル」などです。
ちょっと遊びで、キャッチコピーなどの英訳を頼む際に、「韻を踏む」よう指示を出してみます。その通りにしてくれるため、英語の知識がなくともある程度の形になってしまうのはさすがですね。
日本語)たいけん はっけん つながり
英訳後)Experience the play, discover the way, connect today.
事業計画での活用場面
当農園の事業計画はエクセルで作成しています。
例えば、ブルーベリーの収穫量予測から、来場者数の設定をしたり、料金設定のための試算をしたりしています。これに必要なのが、エクセル関数です。これまでは、試行錯誤しながら関数を打ち込んでいましたが、生成AIに作ってもらうことにより、求める関数がすぐに手に入るようになりました。
これはネットで検索するよりはるかに速い回答なので、作業効率が格段に上がりました。
ホームページ関連で
アクセス解析の画面をスクリーンショットし、AIに分析してもらうことも可能です。
いつどのくらい閲覧数があるかなどの分析を分かりやすく回答してくれます。また、この傾向から、これからどんなSEO対策ができるかを提案してくれます。なんと親切!
画像・動画生成で
もうお気づきかと思いますが、この記事に使用している画像は全て生成AIが作ったものです。
人物写真は、なんとも言えないチグハグなCG感が否めませんが、それでも数秒でこのような画像ができてしまうのは見事です。10年前は、こんなことができるなんて考えもしませんでした。
使用アプリ:Canva
これから活用できそうな場面は

AIの得意分野のひとつとして「データ分析」「自動化」があります。
それを活用すれば、こんなことが可能になるかもしれません。そのためには膨大なデータの蓄積と設備投資が必要にはなりそうですが…。
分析と最適化
データ分析によりあらゆることの最適化を進めることができるようになるでしょう。
例えば、栽培データを分析し生産方法や販売手段を最適化の提案を考えてもらいます。最適な栽培計画をAIに頼ることにより効率化・自動化されたことで生産コストの削減につながりますね。
これまで分析に費やしていた時間も大幅に削減できるかと思います。
また、個人情報を除いた上で、客層を分析し、個別の状況に合わせることで、お客さまの満足度を上げるような提案・施作を考えてくれることが可能かと思います。
栽培自動化
現在は、養液栽培システムにより自動かん水を行っています。しかし、設定は手動です。どのくらいの比率で肥料を混入させるか、1日にどのくらいの時間と量を与えるか…、これはその日のコンディションやブルーベリーの状態から総合的に判断して、設定しています。
もし、それを全ての設定をAIが自動でやってくれるとしたら…。これは近い将来夢ではなくなるかもしれません。各種センサー導入、システムのアップデートなどそれなりの投資は覚悟しなければなりませんが…。
それでも気象データをネットから集め、その日の天気に応じて、1日にどのくらいの量をかん水するかを自動的に設定するくらいはできそうな気がします。

これまで農園で行っていたことが、AIにやってもらえると嬉しいなぁ。
それでも自然界が相手です。完全に「自動化」とはいかない…のかな、と個人的には思います。
AIで周知・集客
広く様々な方に「知ってもらう」ことで、お客さまがご来園するきっかけとなります。つまり、知らなければ存在しないことと同じなのです。
では、知ってもらうためには、どうすれば良いでしょうか?
例えば、TVや新聞、雑誌などのメディアの力を頼ることが考えられます。しかし、今はスマホ時代。WEBやSNSの検索、AIによる回答で上位になればなるほどより広く知ってもらうことにつながります。
その検索上位になるためのノウハウをAIに提案してもらいます。Googleであれば「Gemini」、Bingであれば「Copilot」が教えてくれそうです。
AIの危険性と不可能なこと

いくらAIが便利だからといって、何でもかんでもAI任せは非常に危険です。
最も危惧しなければならないのは、データ漏洩です。
AIに質問を投げかけるその文章やデータはすべて蓄積されるとのことです。万が一、個人情報や大切なデータが蓄積されてしまったら、それが、どのように活用(悪用?)されるか分りません。
顧客データの分析をAIにお願いしたらデータが流出してしまった、なんてことがあったら取り返しがつきませんし、大きな社会問題になってしまいます。
先程の「文章の要約」についても、内容をペーストする場合は、個人情報などが含まれていないかどうかをよく精査し、十分に気を付ける必要があります。
質問に対する回答も100%真実ではありません。中には、誤った情報を、もっともらしく回答してきます。平気でうそをつくこともあります。AIは膨大なデータベースをもっていますが、確実に裏付けが取れているわけではありません。
AIによる回答はうのみにせず、最終的には自分自身で判断する力が必要です。AIが出した回答を信じてしまい、誤った情報を発信してしまうことで、周りから信用を失うことにもつながりかねません。

今では簡単にフェイク画像(動画)が作られてしまいます。
また、AIによりあらゆることが最適化・効率化できるはいえ、できないことがたくさんあります。
例えば、お客さまとのコミュニケーションや、農園のポット内の除草作業、苗植えの作業です。つまり、「人間の心や技術」の分野かと思います。
また、文章を生成してくれるとはいえ、ブログ記事をすべてAIに任せてしまうのは、やや疑問を感じます。今回の記事のため、生成画像を使ってみましたが…。どうしても違和感があり、味気のない印象になっているのは私だけでしょうか…?
それから、結局のところAIを動かすためにはスマホなどのデバイスが必要です。その動作のためには、「電力」が絶対に必要ですね。バッテリーの進化はめまぐるしいものがありますが、電力が供給されないと、使い物にならなくなってしまいます。
さらに、当然ながら、「Wi-Fi環境」は必須です。効率化により時間的・経済的なコストは削減できるかもしれませんが、インフラを整備するコストがかかりそうです。
おわりに
生成AIはとても便利です。しかし、便利さの裏側を見誤ってはいけません。
文章の添削や要約、データ分析、蓄積など、AIが得意な分野はAIに任せ、基本は人間である私たちがリードしていかなければならないと思います。
AIに目を背けては過ごせない社会になってきました。これからは、よりよい効果を得るために、AIを上手に正しく利活用していくことが必須のスキルとなりそうです。
先ほど示した、旅行プランを考えてもらう質問に対する回答に、当農園が含まれるようになるよう対策を考えていかなければなりません。しかし、明確な選考基準については勉強不足なので、少しでも検索結果に反映されるよう、地道にSEO対策を進めていきたいと思います。


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