これから農地やご自身の敷地などに防草シートを敷きたいと思っている方々へ。
私たちが60アールの広い農地に防草シートを敷いた経験から学んだ「広い農地に防草シートを自分たちで敷く方法」を詳しくお伝えします。
広い面積に防草シートを敷く方法が知りたいです!
私たちの経験で学んだことをお伝えします!
業者に頼らずともDIY感覚で防草シートを敷くことができる…かも?!
準備したもの
防草シートと押さえピン
敷く面積と形状によって防草シートの選択肢が変わります。それぞれ説明していきます。
防草シート
ホームセンターでも購入できますが、あまり薄い生地だと耐久性に難ありです。
農地の面積や形によって選ぶシートが変わってきます。最初に必要枚数などをしっかり計算しました。
私たちが購入した防草シートはこちら。全部で14本購入しました。サイズは幅4m×長さ100mです。ロール状ではなく、蛇腹に折りたたまれています。
こちらは個人宅への配送は不可となっているので注文の際はご注意ください。
こちらの商品は15㎝間隔で緑のガイド線が入っています。また、色は「黒黒」と「黒白」の2種類あります。どちらも性能に違いはほとんどなく、これは購入者の好みです。
業者によると購入者の8割が「黒黒」だそうです。
押さえピン
業者によってはピンも付いているものもありますが、通常、シートを押さえるピンは別途購入する必要があります。私たちが購入したピンはこちら↓
どうしてこのピンにしたの?
それぞれメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット | デメリット | 価格 | |
五寸釘 | 刺さりやすい 折れにくい | 抜けやすい 固定する面が狭い | 最も安価 |
プラ製ピン | 抜けにくい 錆びない | 折れやすい 失敗したら抜けにくい 劣化しやすい 耐久性低い | 安価 |
Uピン | とても抜けにくい | 刺さりにくい 折れやすい | 基準価格 |
板付き釘 | 刺さりやすい 折れにくい 板がある分固定できる | 抜けやすい | やや高価 |
板付きUピン | とても抜けにくい 板がある分固定できる | 刺さりにくい 折れやすい | 高価 |
この比較から、押さえ板とピンが一緒になっているタイプのピンを選びました。押さえ板とピンが一緒になっていることから、作業効率が上がったと思います。
農地は転圧してあるので、とても硬くなっています。20㎝でもよさそうですが、私たちの農地は風が抜ける場所でもありますので、長さは30㎝を選びました。
また、材質ですが、ステンレス製ではなく、スチール製を選びました。なぜかというと、経年で錆びるからです。
え?「錆び」ってデメリットじゃないの?
実は大きなメリットなのです。
「錆びる」ことで、地中との摩擦が増え、より抜けにくくなるのです。逆にステンレス製は錆びにくいため、抜けやすい傾向にあります。また、ステンレス製はスチール製に比べて高価ですね。
ピンの間隔を教えてください!
ピンの間隔にこれといった決まりはないと思います。
私たちは、いろいろ調べた結果、下の図のような間隔で打ちました。
4m幅のシートがめくれないように本数を考えました。打つ本数を増やせばそれだけ頑丈にはなると思いますが、私たちはこのシートの上にブルーベリーのポットを置くので、最低限の本数になるよう調整しました。
予備も含めて全部で5,100本を購入しました。
このシートは15㎝幅で縦のガイド線があるので、それに沿ってピンを打ちました。
横のガイドはないので、1mの長さに切った木板を準備し、それを基準にして1mと2mの幅を決めてピン打ちをしていきました。
必要人数
極論から言うと1人でも敷けます。
ただ、50アールを1人で敷設した経験者がおっしゃるには、相当の時間と労力がかかったそうです。
なんと、2か月もかかったそうです。
では、私たちなりに最も効率のよい人数は何人かを考えてみました。長辺を基準辺とした場合で説明します。
シートを引っ張る人が3人いると安心です。シートに3方向のテンションをかけることでたわみやしわを防ぐことができます。
基準辺に打つピンを先に打っていきます。2人いると作業が速いです。
2人が、ピンの位置を決めて仮打ちしてきます。
ピンの列が3列なので、3人で打ち込んでいきます。
このように10名ですと、効率よく作業することができますね。
では、人数が少ない場合はどうでしょうか。
シートを2方向で引っ張りたいので、そこに2名。ピンの仮打ちと打ち込みで2名。経験上、この人数であればピシっと敷くことができるでしょう。
私たちは最初3人で敷ましたが、3時間かかりました。
敷く手順
では、実際に私たちが作業した様子をお伝えします。
1.風向きを考える
防草シート敷きの最大の敵は「風」です。風に逆らうように敷いていくのはとても非効率的です。
シートがあおられないように、風上から風下になるようにピンを打つようにします。
2.基準を決める
風に逆らわないように、どこか一辺を基準にします。
この基準が曲がってしまうと大変です。小さなズレが最後の方になると大きなズレになり、最悪ピンを抜いて、最初から敷き直しになってしまいますので、慎重に決めていきましょう。
基準の辺が決まったら、その辺から先にピンを打っていきます。
3.仮打ち
基準の辺が決まったら、ピンを打っていきますが、いきなり根元まで打ち込まないようにしましょう。
ピンをいきなり打ち込んでしまうと修正が難しくなります。ですので、まずはピンを防草シートに数センチ刺しておき、「仮打ち」していきます。
ハンマーを使わなくても数センチであれば手で刺せますが、ハンマーを使うとラクでした。
仮打ちのときにピンの足を、ちょっとだけ「ハの字」で打ち込んでおくと、抜けにくくなります。
しかし、開きすぎると、ピンが曲がりやすくなります。
仮打ちすることで、たわみやしわが出たときに打ち直しができますね。
ピンの間隔は目測ではなく、「1mの基準」を使いました。
シートがピシっとなるように2人以上で引っ張りながら仮打ちしておくとよいでしょう。
最後まで広げてまっすぐ調整したくなりますが、風の力をあなどってはいけません。わずかな風でもシートがめくれ、ピン打ちどころではなくなってしまいます。
仮打ちしながら少しずつ広げていきます。
目安として5mずつ広げていきました。
無風のとき、一気に広げ、重りなどで押さえながら打ち込みましたが、風の動きは読めません。せっかくまっすぐにしたのにちょっとした風であおられ、ずれてしまうことはしょっちゅうでした。
4.打ち込み
仮打ちを10mほど進んだあたりで、防草シートのたわみやしわがないことが確認できたら、仮打ちしたピンを打ち込みます。
ピンが曲がらないように根元まで確実に打っていきます。
農地に石が多い場合は、ピンが曲がりやすいし、刺さりにくいです。
石に当たったと思ったら、すぐ抜いて、方向を変えて打ち込みましょう。
ピンを打ち込む際には、奥から順に横一列になって打ち込んでいきます。バラバラな箇所から打ってしまうと、たわみの原因となります。
基準の辺は先にどんどん打っていきます。
次のシートと重なる部分はピンを打たずに、仮止め用のピンを打ってめくり防止をしました。
子どももできる作業です。褒めながら、楽しみながらゲーム感覚でピン打ちをすると、達成感を味わえますね。
5.裁断
畑のへりに到達したら、防草シートを裁断します。すこし多めに切り、ほつれ防止のため10cm程度内側に折り畳んでピンを打ちこみます。
6.次のシートへ
次の防草シートの重なりは15㎝にしました。ちょうどシートのガイドラインが15㎝だったため、その線に合わせて重ねていきます。
同じように基準を決め、仮止めし…の繰り返しです。
シート敷きまとめ
以上のように、広い農地に防草シートを敷きつめました。
無駄のないように事前に農地を測定し、必要枚数を割り出しました。事前に机上でシミュレーションしましたが、実際に作業をした方が、たくさんの発見と学びがありました。
シート敷き手順
- 農地の測定
- 資材注文
- 風向きを考えて、基準を先に打つ
- シートを引っ張りながら、仮打ちしていく
- ずれやたわみがなければ、打ち込んでいく
- 15㎝重ねて次のシートを敷く
私たちだけではこんな早く敷くことができませんでした。SNSの呼びかけに応えてくださり、たくさんの方々がお手伝いに来てくださいました。この場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
この記事が、皆さんの参考になれば幸いです。
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