ブルーベリー養液栽培かんたんキット

「夢」の実現へ大きな一歩を踏み出しました!
私たちが発注した養液栽培簡単キットの施工作業を紹介します。
10ポットの作業になります。農業未経験者の視点での記録ではありますが、皆様の参考になれば幸いです。では、ご覧ください!

お断り

※現在、このシステムは運用しておりません。

準備

まず、作業前準備について記録します。

届いたもの

  • 簡易タイマー
  • バスポンプ
  • 潅水用パイプ一式
  • 微量要素粉末
  • 専用肥料(アミノ酸配合)
  • PHダウン剤(リン酸液)
  • アクアフォーム100L ×6
  • 栽培ポット20L と60L ×10
  • ブルーベリー苗 10本
配送について、もっと読む
  • 全ての備品がまとまって届くわけではない。
  • 配送業者は、全て同じではない。
  • ポットを設置する場所に配送してもらうのがベスト。
  • 購入したもの

    • 20Lポリタンク ×1
    • 90Lポリバケツ(フタ付き) ×1
    • 灯油ポンプ ×1
    • 計量カップ(30ccが測れるもの) ×1
    • 腐葉土10㎏ ×1
    • ウッドチップ50L ×1
    • 延長コード1m ×1
    • ポンプを覆う防水ボックス ×1
    • 結束バンド10㎝100p ×1
    購入について、もっと読む
  • 全てホームセンターで手に入る。
  • 100均も上手に利用する。
  • 準備したもの

    • 軍手(ラバー製)
    • ゴム手袋(厚手)
    • ゴーグル
    • マスク
    • キリ(3mmの穴を開けるため)
    • シャベル類
    • ノコギリ(カッターでも可)
    • 2Lペットボトル ×3本
    準備について、もっと読む
  • ゴーグルは粉塵を防ぐものがベスト。スキー・スノーボードのゴーグルは曇りにくい。
  • ペットボトルは液肥の原料を小分けにするために使用。他のボトルでも代用可。
  • 作業工程

    実際に施工作業をしていきます。手元にマニュアルがありますので、それに沿って作業をしていきます。3月の植え付け作業です。そのため、秋の植え付けとは、少々手順が違うかもしれません。

    肥料の調整

    微量要素上澄み液作成

    1. 20Lポリタンクに、「微量要素粉末」図1のように直接投入し、水を20L入れます。
    2. フタを締めて、よく振ります。
    3. 図2のように上澄み液を、灯油ポンプを使って、空の2Lペットボトルに移します。
    4. 終わったら、灯油ポンプを水でよく洗い流します。
    図1
    図2

    専用液肥・リン酸液の小分け

    1. 専用液肥も灯油ポンプを使って、空の2Lのペットボトルに小分けします。
    2. リン酸液も同様に、2Lペットボトルに小分けします。(図3)
      ※リン酸液は強酸性です。ゴム手袋必須です。
    3. 同様に、小分けし終わったら、灯油ポンプを水でよく洗い流します。
    図3
    肥料について、もっと読む
  • リン酸液は強酸性で危険。そして、とても重たいので移動注意。
  • 微量要素の粉末は直接ポリタンク投入でも問題なし。
  • ペットボトルに小分けにしたのは、90Lポリバケツに投入する際に、使い勝手がよいため。
  • アクアフォームの充填

    1. アクアフォームを20Lポットに入れます。
    2. ものすごい粉塵が舞うので注意です。
    3. 図4のように、たっぷり水をかけます。ポットの底から水が出るまで、じゃんじゃんかけます。
    4. ポットいっぱいに入れても、水をかけると、ちょっと縮むようです。追加して入れて、水をかけての繰り返しで、ポットの8割程度まで入れました。
    図4
    アクアフォームについて、もっと読む
  • 乾燥しているアクアフォーム100Lは、とても軽く、片手で持ちあがる。
  • アクアフォーム自体は人体に無害だが、微粒子が目や喉に入ると激痛なので、ゴーグル・マスク必須
  • 苗の植え付け

    1. 花芽を摘み取ります。
    2. ブルーベリーの苗を取り出し、根をほぐします。
    3. 根の周りをノコギリやカッターなどで十字に切り込みを入れます。
    4. 根についている土を落とします。
    5. 柔らかくなるまで、手でもみほぐします。
    6. アクアフォームの真ん中に苗を植え付けるための穴を開け、その穴に腐葉土を、ぱらぱらと入れ、軽く混ぜます。量は手の平で1回分程度です。(図5)
    7. 苗を植え付けて、苗を固定するため、全体重をかけてグッグッと押します。
    8. 水をかけて、安定させます。
    図5
    苗の植え付けについて、もっと読む
  • 花芽を摘むことで、花が成長する力を、芽を成長させる力に回せる。
  • 根はかなり固くなっている。根がブチブチというくらいしっかりとほぐす。
  • 土は、全部洗い流した方がいいのか、残っていてもいいのかは分からない。
  • 腐葉土を混ぜることは、マニュアルには記載されていない。
  • 剪定および、樹形を整えるための固定はしていない。
  • Wポットの作り方

    図6
    図7
    図8
    1. 60Lポットの中にアクアフォームを半分程度入れ、たっぷり水をかけます。(図6)
    2. 先ほど、苗を植え付けた20L ポットを60L ポットの中に入れます。ちょうど中心になるように、位置を調整します。(図7)
    3. 20Lと60Lポットの隙間をアクアフォームで満たしていきます。(図8)
    4. 充填した後も、たっぷり水をかけます。鉢穴から水が出るくらい流します。
    5. アクアフォームの表面の乾燥および風で舞うことを防止するために、ウッドチップを敷き詰めました。(図9)
    図9
    苗の植え付けについて、もっと読む
  • 水を含んだ60Lポットの重さは約30㎏以上。
  • 空のバケツなどを用意し、アクアフォームをいっぱい入れて水をかけておく。それが、隙間充填用とし使えるので効率的。※まだ使わない60Lポットでも代用可。
  • ウッドチップ敷き詰めについて、マニュアルには記載されていない。
  • 養液栽培システムの設置

    図10
    図11
    図12
    図13
    1. ポットを1.5m間隔で並べます。
      ※場所が狭いので、苗と苗の間を1.5mにしました。ポットとポットの間は30㎝にしました。
    2. ポンプと潅水用ポリパイプをつなぎます。
    3. 図10のように潅水用ポリパイプを鉢の横に這わせます。液肥のタンクから、全ての鉢の横を通り、ぐるっと一周し、末端(エンドコネクター)は90Lポリバケツへ戻ります。
    4. ポリバケツには、90Lの水で満たします。
    5. 図11のように、バキュームブレーカーを結束バンドで括り付けます。
      ※先が水中に付かないようにします。
    6. 潅水用ポリパイプに3㎜の穴を開け、ドリップピンの突起を押し込みます。(図12)
    7. ドリップピンの先端にピンをはめ、アクアフォームに刺します。ピンの先端がアクアフォームに接触しないよう2,3cm高く設置します。(図13)
    8. ポンプを電源につなぎ、通水試験をします。
    9. 通水試験の際、バケツから水漏れしていないかをよくチェックします。バキュームブレーカーやエンドコネクターからバケツの外に水が出てしまうことがあります。設置場所をよく確認しましょう。
    10. ドリップピンの先から、1秒間に2,3滴ほど出ていれば問題ありません。
    11. エンドコネクターは、90Lポリバケツのふちに、結束バンドで固定しました。(図14)
    図14
    養液栽培システムについて、もっと読む
  • この頃になると、指先や爪が水でふやけてしまうので、細かい作業が難しい。
  • 1年目のドリップピンは1つしか使用しない。もう1つは折って通水させないようにしておく。(2年目は2つ使用)。
  • 潅水用ポリパイプは、丸く巻かれているので、クセがついている。
  • パイプをまっすぐ伸ばす際にクセを戻しながら伸ばしていく。
  • 90Lポリタンクに、90Lの水で満たすことはマニュアルに記載されていない。
  • この段階では、まだ液肥を混入しないほうがよい。
  • ↓バキュームブレーカーとは?

    もし、ポンプが故障したら…

     簡単キットの心臓部である潅水ポンプですが、家庭用のバスポンプ(KP-103)を活用しています。これは、屋外で使うこと想定していません。本来の用途ではない使い方をしているので、耐久性がなく故障することが多いです。
     現在、このKP-103は廃盤品となっており、場所によっては高値で取引されている例もあるそうです。後継機にKP-104がありますが、この電源ユニットがON/OFFのボタン式なので、タイマーとの接続ができません。
     電源ユニットが故障してしまうと、代替機を探さなくてはいけませんが、ポンプ部だけの故障でしたら、何とかなります。

     後継機のKP-104のポンプ部は、KP-103のポンプ部と互換性があることが分かりました。これなら全国のホームセンターで手に入れることができます!

    液肥づくり

    1. 小分けした液肥原液を、それぞれ計量カップで計測し、90Lポリタンクに投入します。(図15)
    2. 棒などでしっかりかき混ぜます。
    3. PHを測ります。
      最適な濃度はPH4〜5付近だそうです。
    4. 15分間の潅水で、約10Lの液肥を消費しました。(図16)
    図15 (写真では素手ですが、ゴム手袋してください)
    図16
    液肥について、もっと読む
  • 液肥の原液は、それぞれ30ccを計量カップで測る。
  • 計量カップは、毎回水道水で洗浄する。
  • タンク内の液肥が減った分を目盛りで判断し、肥料の比率を計算して、原液を投入する。
  • 棒などでよく混ぜる。
  • 液肥の濃度を測定するため、PH試験紙などで計測する。
    ※マニュアルには記載されていない。
  • ポンプの防水ボックス

    1. ホームセンターでフタ付き多用途ボックスを購入しました。
    2. 底に穴を開けます。(図17)
    3. 1mの延長コードを購入し、底からボックス内に通します。
    4. タイマーに接続します。
    5. ポンプから電源コードをボックスの底から中に通します。
    6. タイマーとポンプの電源コードを接続。
    7. ボックスを底上げするために石を置きました。
    8. 最後に、フタを閉めて、重りを載せて完成です。(図18)
    図17
    図18
    防水ボックスについて、もっと読む
  • 半透明にしたのは、タイマーなどの確認のため。
  • 直射日光の影響や、夏の暑さ対策は今後の課題。
  • ポンプは壊れやすい。
  • ポンプはコーナンバスポンプBP-103N※2022年3月現在、廃盤商品。
  • 配置図

     現在の品種一覧です。
    ●ノーザンハイブッシュ系
     ・ブリジッタ、ブルーレカ、ヌイ、スパルタン、ブルーマジシャン、エリザベス、プル
    ●サザンハイブッシュ系
     ・チャンドラー
    ●ラビットアイ系
     ・ノビリス、バルドウイン

    作業を終えて

    農業初心者の私たち。
    全ての作業が未経験でした。疑問が解決したと思ったら、すぐ新しい疑問が・・・!
    不安だらけのスタートですが、やり切った感があります!
    これから、毎日様子を観察していこうと思います。

    ブルーベリー養液栽培の先輩方、これからもいろいろ教えてください。
    御覧いただきありがとうございました。

    logo

    追記(2023.1.29)

    現在、BLUEBERRY BASE MOKA では、「ブルーベリー養液栽培かんたんキット」から、(株)オーシャン貿易さまの養液栽培システム「バッグカルチャーシステム」へと移行しました。
    この「かんたんキット」の導入の経験があったからこそ、今の私たちがあります。
    「かんたんキット」の導入の際や、栽培中に、たくさんのご助言をいただきました関係者の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。

    参考記事